おかしなあなた

「おはよ、愛…ってどした!?」
クラスで唯一仲のいい恵が話しかける

「例の件で」
とわたしが言うと、恵はそれ以上なにも言わず、
「わたしKIKOさんオススメっていう肌にいいチーク買ったんだ♪付けてみなよ♪」
とわたしにそのチークを握らせた。

恵のこういうとこが好き。
「わたし先に教室行ってるし、愛はそれトイレで付けてからおいで♪」と恵は教室に向かった。

わたしは恵に言われた通り、トイレでチークをつけた。
とても発色のいいチークで、鏡に映るわたしは気持ちとは裏腹にいつもより高揚した感じに見えた。
女の化粧はこういうときに本領を発揮するんだとわたしは感心して、教室へ向かった。