おかしなあなた

「あいちゃんにめぐちゃんだぁ」わたしたちの間に流れる重苦しい空気を全く無視して能天気に話しかける、風見。

空気読めよ…

と思っていると、側にはかわいらしい女の子。

モテるね―、KY野郎のくせに。

わたしが視線をそらし、全身から空気読めオーラを出していると、風見がまた口を開いた。

「帰ろっか」

よかった、こいつにも人並みの神経があった…

「はい、じゃぁね―」
と側にいた女の子の肩を掴み、くるっと反対向かせる。
戸惑うその娘とわたしたち。

「ほらほら、空気読んで」


それはお前だ。


「ばいばーい」
と女の子の背中を押す。

「あのっ、風見さん、わたしっ」と振り返って何か言いかけた女の子の口に人差し指を当て

「ばいばーい」
と同じ調子で言う。

女の子は傷ついた様子で走って店を出ていってしまった。

「ちょっと風見―…」
と恵が立ち上がると

「なに?」
と冷たい表情の風見がいた。