なーんて、こんなことは口が裂けても言えないけれど…



「陽生の方こそ実は一人で寝れなかったんじゃないの?」



本当は自分が一番寂しがってたりして…


何となく悔しくなって、そう言葉にした私。


実際、陽生に限ってそんなことはあるわけないんだけれど、冗談めかしに気を紛らわさないと、なんだか妙に落ち着かなかったから……


けど、次に聞こえた陽生の声は想像していたものとは全く違うものだった。




「ああ、寝れなかった」


「へっ?」


「果歩が隣にいなくてすげー寂しかった。どうしてくれんの?俺、今すんげー寝不足なんだけど……」



とても真剣な声に鼓動が高鳴る。


その言葉があまりに真っ直ぐだったから、思わず目を見開いて言葉に詰まってしまう。