甘い体温②・後編・


名前は(愛心―あこ―)と名付けた。


『椎名愛心―しいなあこ―』


その名の通り、愛する心、愛される心、ちゃんと人を愛せる人間になってほしい。

そしていつか、愛する人と幸せな未来をちゃんと自分の手で掴んでほしい。


そう願いを込めて陽生と一緒に付けた名前だった。




そして、それからの生活はとても目まぐるしい毎日だった。


初めての子育て、分からないことだらけで正直辛いこともあるけれど、それでも弱音を吐かずに一生懸命頑張れるのは



「果歩、少し寝てこいよ。俺がしばらく愛心をみてるから」


「ありがとう。じゃあ少しだけ…」



こうして陽生が一緒にいてくれるから。


むしろ私に負けないぐらいこの子を可愛がってくれるから、とっても心強かった。