甘い体温②・後編・


とても感動的な瞬間だった。


そして痛かった。


想像以上の激痛にぐったりしながらも


「おめでとうございます」と元気な赤ちゃんの姿を見せられた瞬間、瞳からポロポロと涙が零れおちた。


嬉しさと達成感でやっぱり言葉にならなない私の隣で、陽生もまた今まで見たことのない潤んだ表情でそんな光景を見つめていた。



「よく、頑張ったな……」


「おめでとう果歩ちゃん、元気な女の子だよ」



そんな言葉にさらに涙腺が崩れ落ちていく。


2900gの可愛らしい赤ちゃん。


私と陽生の赤ちゃん。


待ちに待った誕生だ。



「やっと会えたね」



ずっと待ってたんだよ。


これから末長くよろしく…


そんな幸せな余韻に浸りながら、私は疲れ果てたように眠りについた。