それから4日後、その時は案外早くにやってきた。
朝方早くに違和感を感じた私は慌ててトイレに行き、そして急いで陽生を起こした。
顔色を変えた陽生とそのまま車に乗り込み、秀先生の病院へと向かう。
やっぱりそれは破水だった。
そのまま入院になった私は用意された個室のベッドに横たわりながら、不安な気持ちで陽生を見上げた。
ぎゅっと手を握ってくれた陽生が優しく微笑んでくれる。
「安心しろ。ずっと側にいるから」
「……でも、仕事は?」
「さっき静香に電話しといたから大丈夫だよ。今は果歩の側にいることのが大事だろ。仕事が終わったら静香もすぐに駆けつけるって言ってたから」
「そっか……。い、いよいよなんだね」
「ああ、ずっとこうしてる。だから頑張ってくれ」
握る力が強くなって、小さく頷いた私。
それから次第に痛みが強くなっていき、何も言葉にならなくなった。
激痛で顔を歪めては、陽生の心配そうな顔が視界に映る。
そして大きなハンマーで思いっきり殴られてるような腰の痛みに耐えながら、その日の深夜過ぎ、分娩室に元気な赤ちゃんの泣き声が響きわたった。



