甘い体温②・後編・


しかも、これは陽生のお父さんも了解済み。


むしろそう仕向けたのはアメリカに飛んだお父さんだとか。


そんな展開に最初こそビックリしたものの、これには陽生も大賛成。


仁さんが来てくれるなら安心出来る。仕事に集中できると、ホッと肩を撫でおろして喜んでいた。


そしてもう一つ、見違えて変わったことと言えば…



「うわ、また少し大きくなったんじゃない?」



臨月になり、私のお腹が日に日に成長してること。


丸くぽっこりと出た大きなお腹。


今じゃどこからどう見ても妊婦にしか見えないもん。


ランチを食べてる最中後藤が嬉しそうに何度もお腹を触るから、私はその度にニッコリと笑う。



「あ、今動いたよ!」



なんて言われるたび、私も嬉しくてしょうがない。


成長するにつれ、自分が母親になるんだって実感も少しづつ湧いてきて何だかくすぐったく感じてしまう。



「早く会いたいな~」


「だね」



今はそんな気持ちでいっぱいだ。


出産まであと少し。


いつ産まれてもおかしくない状態だ。


正直産むのは怖い、けれどこの子に会えるなら頑張れる。なにより待ち遠しい気持ちでいっぱいだった。