全身から力が抜け落ちていく。
私は両手を顔に当ててわんわん泣いてしまった。
それと同時に今までずっと背中に張り付いていた不安が一気に溶かされていくようなきがして…
心が軽くなる。
今までどれだけお父さんに対して強い不安を抱えていたのか改めて実感した瞬間だった。
「う―……」
「ほら、泣きすぎだろ…」
「だって嬉しいんだもん」
心配してしゃがみ込んだ陽生に思いっきり抱きついた私。
「陽生は嬉しくないの?」
「嬉しいって言うより、むしろ困惑してるよ」
そう言いながらも陽生の表情はとても穏やかでスッキリしたものに変わっていて、とても幸せな気持ちが込み上げた。
きっとすぐにお父さんとの関係は修復できないと思う。
私自身、それは身にしみてよく分かってることだから。
でも、それでも少しづつ……、いつか2人が分かりあえる日がきたらそんな嬉しいことはない。
「陽生、よかったね」
きっとこの先上手くいく。
とりあえず一歩前進……かな?
そんな確信を胸に、私は最高の笑みで陽生に笑いかけた。



