そしてそこにはきっと陽生への愛情も込められてる、はず。
分かりにくいけど……
笑顔もなく、相変わらずそっけない態度だったけれど、それでも以前とは見違えるようだった。
ひょっとして、これって光治さんのおかげなの?
だとしたら光治さんの存在ってすごい!
まさに救世主!
……でも、きっとそれだけじゃないよね?
足早に去っていくお父さんを見つめながら、私はようやくホッとしたように陽生の腕から自分の手を離す。
「なんか夢でも見てるみたい……」
どうか夢で終わりませんように…
そう思った私は慌てて自分の頬を勢いよくつねる。
「…い、たい……」
「当たり前だろう」
そんな私を見下ろした陽生が呆れたように言う。
「……けど、気持ちは分かるけどな」
「さっき、お父さんちゃんと謝ってくれたんだよね?」
「ああ……」
「私達のこと認めてくれたんだよ、ね?」
「ああ」
「よか、た……」
よかったよぉ…
思わず涙ぐみ、そのまま力なくしゃがみこんだ。



