甘い体温②・後編・


そしてそこにはきっと陽生への愛情も込められてる、はず。


分かりにくいけど……


笑顔もなく、相変わらずそっけない態度だったけれど、それでも以前とは見違えるようだった。


ひょっとして、これって光治さんのおかげなの?


だとしたら光治さんの存在ってすごい!


まさに救世主!



……でも、きっとそれだけじゃないよね?


足早に去っていくお父さんを見つめながら、私はようやくホッとしたように陽生の腕から自分の手を離す。



「なんか夢でも見てるみたい……」



どうか夢で終わりませんように…


そう思った私は慌てて自分の頬を勢いよくつねる。



「…い、たい……」


「当たり前だろう」



そんな私を見下ろした陽生が呆れたように言う。



「……けど、気持ちは分かるけどな」


「さっき、お父さんちゃんと謝ってくれたんだよね?」


「ああ……」


「私達のこと認めてくれたんだよ、ね?」


「ああ」


「よか、た……」



よかったよぉ…


思わず涙ぐみ、そのまま力なくしゃがみこんだ。