「どうせ私が邪魔したところで、お前達の気持ちも変わらないだろう。そんなイタチごっこはもう沢山だ。ほとほと疲れたわ。それより……

もう体の方は大丈夫なのか?」



背を向ける途中、お父さんが思い出したように私に向けてそう言った。



「えっ……」



そしてほんの一瞬目が合った私は固まったまま上擦った声を出し、不自然に目を泳がせてしまった。



「…え、と……」


「どうなんだ?」


「……は、はい!おかげさまで……」



もう一度急かす様に言われ、私は慌てた声でそう言った。


う―……


やっぱり心臓に悪い。


この重苦しい空気がとてつもなく嫌だ。


そう思った時



「なら、いい……」


「えっ……」



少し柔らかな声が聞こえ、さらに驚く言葉が向けられた。