なんかもう、踏んだり蹴ったりだよ。


さっきまでの嬉しさがまるで嘘のように一気に気持ちが急下降していく。


もう、やだ。


せっかく幸せに浸ってたのに、またどん底に突き落とされちゃうの?



「ふっ、わざわざ車から降りてまで言いたいことはそれなのかよ。本当めんどくせーな」



ほら、陽生もあからさまにイラついちゃってるし。

やっぱり険悪モードは今もまだ健在だ。



「まだ、俺達を引き裂こうとか思ってんの?」


「―――」



その言葉にお父さんの顔つきが変わる。


鋭く睨むような眼差しを向けられながら、私はもうハラハラと自分の胸元を握るしかない。



やっぱりお父さんは私達のこと…


認めてないのかもしれない。


どんな理由があるにしろ、こんな表情を向けられたら誰だってそう思わずにはいられないもん。