そ、なんだ……
気を使ってくれたんだ。
優の可愛い優しさに触れて、思わずキュンってなってしまった私。
けど、嬉しい半面急に二人っきりにさせられてしまったせいか、そわそわと無性に落ち付かなくなってしまう。
「仲良くしてやってね」
「えっ?」
そんな時、母に言われた私はキョトンと視線を戻す。
「あの子、本当にあなたのことが好きみたいだから。あの子ね、いつもあなたの話しばかりするのよ。それはもう嬉しそうな顔ったらないわ」
その時の光景を思い出してるのか、母が優しく目を細める。
その表情があまりに穏やかで綺麗だったから、妙に照れてくさくなって俯いてしまう。
ここに来て今日で2日。
体調を崩し、ほぼベッドで寝たきりだった母。
今更ながら、初めてちゃんとまともに向き合ったような気がして、急に恥かしさが込み上げてくる。



