「陽生はいつも格好つけすぎなんだよ。私の前ではもっと力抜いてくれればいいのに…」
「果歩……」
「なーんてね。今の私じゃまだまだ頼りないもんね?」
ニコリと笑い、もう一度触れるだけのキスをして離れようとすると、今度は陽生の腕が私の腰に回り、グイっと勢いよく引き寄せられた。
そしてそのまま耳元に、陽生の柔らかな唇がよせられる。
「果歩……」
「ん?」
「早く籍入れよ……か。てか入れたい」
そのままぎゅっと抱きしめられて、陽生の額が私の肩に落ちる。
「もう……待てない。1日も早く果歩が欲しい。本当の家族になりたいんだ」
そんなセリフに鼓動が跳ねる。
ど、どうしたの!?
その声はあまりに切なさを含んでいて、思わず目の前の肩を押し返そうになるほど。
「陽……」とたまらず声を上げようとすると、さらに切羽詰まったような、驚く言葉が耳元に落ちてくる。