優!?
バタバタと、あっという間に2階に駆け上がってしまった優の姿に私は目をパチクリさせる。
なに、あれ……
思わずポカンとしていると、突然目の前の母が可笑しそうにクスクスと笑い出した。
「ったく、あの子ったらどこでこんな気遣いなんて覚えたのかしら?」
「えっ?」
キョトンと母を見ると、やっぱり可笑しそうに笑っていた。
「あの子、私達に気を使ったのよ」
「えっ」
「だって、あの子にはまだ自分の部屋なんてものはないんだから」
へっ……
部屋が……ない?
その言葉に瞳を大きく開ける。
「本当誰に似たのかしら……って、あの感じは誠二さんしかいないけどね」
優……



