甘い体温②・後編・


優!?


バタバタと、あっという間に2階に駆け上がってしまった優の姿に私は目をパチクリさせる。



なに、あれ……


思わずポカンとしていると、突然目の前の母が可笑しそうにクスクスと笑い出した。



「ったく、あの子ったらどこでこんな気遣いなんて覚えたのかしら?」


「えっ?」



キョトンと母を見ると、やっぱり可笑しそうに笑っていた。



「あの子、私達に気を使ったのよ」


「えっ」


「だって、あの子にはまだ自分の部屋なんてものはないんだから」



へっ……


部屋が……ない?


その言葉に瞳を大きく開ける。



「本当誰に似たのかしら……って、あの感じは誠二さんしかいないけどね」



優……