次の日の朝、目を覚ますと陽生はすでに起きていて、何やら真剣な表情でキッチンに立っていた。


はっきりと見えなかったけれど、その横顔は昨日とは違い、とても穏やかなようにも見えて



「おはよう。……もう、大丈夫なの?」



後ろから近づくと、私は恐る恐る背中から抱きついた。



「ちゃんと寝れた?」



その問いかけに陽生は何故か優しく笑って、お腹に回した私の手を握ってくれた。



「ああ、昨日は気を使わせちゃってごめんな。もう大丈夫だから」



そして握った手に力を込めてくれる。


目の前からはとてもいい匂いがして、私は背中にくっついたまま首を傾けた。



「あ、この匂いってこの前つくってくれた野菜スープ?」


「ああ、これなら果歩もたくさん食べられるだろう?もうすぐできるから一緒に食べよう」