「聞けばすでにお腹に新しい命が宿ってるそうじゃないか」
「あ……」
「それなら尚更別れさすわけにはいかん。子供には何の罪もない。
好きあった同士、ちゃんと一緒になってお腹の子に愛情をたっぷり注いであげなさい」
ぎゅっと握られる手が強くなり、思わず歓喜あまってしまった。
まさかこんなふうに言ってもらえるなんて、夢にも思っていなかった。
光治さんの一言一言が私の心に深く、優しく染み渡っていくようで
「そもそも今時政略結婚なんてバカバカしいとは思わないか?恋愛は自由じゃ。そんなことをしなくてもうちの会社はダメになったりしないから安心しなさい」
目頭が熱くなった。
その言葉を聞いた瞬間、今まで我慢してたものが溢れそうだった。
じんわりと顔中に熱いものが集まってくるのを感じ、私はたまらず泣きそうな眼差しを光治さんに向けていた。



