甘い体温②・後編・


そしてそんな時、いつもそばにいて優しい言葉で手を差し伸べてくれる人が現れたりなんかしたら……


きっと私が同じ立場でもその人に縋りたくなってしまうかもしれない。


そして安心させてくれる方へと気持ちが傾いてしまうのは自然なことのような気がしてしまう。



……だけど、まさかあのお父さんにそんな情熱的なところがあったなんて思いもしなかった。


反対を押し切って結婚、とか…


まるで今の陽生とやってることは同じだ。


思わず陽生の方を見ると、私と同じ気持ちなのか、硬い表情をしたまま何かを考えてるようだった。



「陽生、お前には本当に申し訳ないことをした。すまんかった」



ポツリ嘆いた光治さんの声がリビングの奥えと消えていく。


だからってやっていいことと悪いことがあるのはも事実だ。


そんな過去があったとはいえ、お父さんが私達にした行動は決して許されるものじゃない。


むしろ最低だ。


そもそもお父さんにだって愛人がいたんでしょ?


その当時働いていた秘書の人と、そう言う関係にあったって、


少し前陽生が言っていた事を思い出した私は、余計お父さんに対して強い憤りを感じてしまう。