「ほら~お姉ちゃん早くお手て出して」
気まずさでなかなか行動に移せない私に見かねて優が私の手を掴む。
そのまま「はい」とバトンタッチのようにその手を母の手に預けると、満足そうに微笑んだ。
「あらら、本当に切っちゃったのね」
「………」
俯いて顔が上げられない私に、母のクスリと笑う声が聞こえてくる。
そっと触れる母の手。
指先から伝わる母の体温。
その感触が予想以上に温かくて、何故か胸の奥がギュッと縮まりそうになった。
「あ、そうだ!僕マミちゃんにお手紙のお返事書かなきゃ」
「えっ…」
優が突然思い出したように、パチッと手を叩く。
「マミちゃん、お返事書かないとすぐに怒るんだもん!ごめんね僕、ちょっと自分のお部屋に行ってるから後は2人で仲良くね、ごゆっくり~」
……へっ?ごゆっくり??
「って、あ、ちょっ……」



