「顔を上げてください。少し落ち着きませんか。よかったらお茶でも飲んで分かりやすく話してもらえたら嬉しいんですが」
顔を上げた光治さんを見つめながら、私も納得するようにうんうんと頷く。
まるでキツネにつままれたような気分だった。
だって、あのお父さんのお父さん。
てっきり私はまたひどい批難でも浴びせられるとばかり覚悟してたから、一気に拍子抜けしてしまう。
それから少しして、落ち着きを取り戻した光治さんがお茶を置き、何かを振り返るようにゆっくりと口を開き始める。
「さて……どこから話したらいいか」
その姿に再び異様なドキドキがはしる。
光治さんは右手を顎髭にやり、うーんと言葉を選ぶようにしていて、
陽生の横顔を見れば、やっぱりいつになく真剣な表情で、じっと次の言葉を待っていた。



