「あ、あの……」
「果歩、悪いがすぐにお茶の用意をしてくれないか?」
「えっ」
そう言われ、私は戸惑いながらもキッチンに向かう。
その間にも丁寧な対応でお年寄りをリビングへと招き入れている陽生。
いったい誰なんだろう…
ひょっとして仕事関係の人?
それとも親戚……とか?
そんなことを考えながら、トレイに3人分のお茶を乗せ、2人の元へと顔を出すと
「急に訪ねてすまんかったな」
「いえ、こちらにはいつお戻りに?」
「今朝じゃ。朝一番の飛行機で成田にな。久しぶりの日本はやはりいいもんだ。心が和まされるわ」
そんな会話で華やいでいる。
だけど、陽生の表情を見ると微妙に戸惑っている様子も伝わってきて…
そして、こっちに視線を変えた陽生が私に向かって急に手招きをした。