それから間もなくして、ニコニコしながら戻って来た優を見ると、何故か後ろに母も一緒に引きつれていた。
「じゃーん、ママも連れてきちゃった」
「……うん…」
そう言われ、何となくソファーの隅っこに移動した私。
目が合わせられなくて、気まずさを隠す様にさりげなくテレビの方へと視線をやれば、突然優が私の目の前に「はい」と手を差しだしてきた。
「お姉ちゃんこれ、バンドエード」
「ああ、うん、ありがとう」
見事に可愛らしく描かれたキャラクターを見て、一瞬苦笑いを浮かべた私。
ちょうどその瞬間ソファーに母が座る気配を感じ、ドキンと一気に緊張が駆け巡った。
「これね、ママにつけてもらった方がいいよ」
「えっ」
「ママねぇ、バンドエイド張るのすごーく上手いんだよ」
ニッコリ満面の笑顔を向けられて、思わず言葉を詰まらせる。
「ね、ママに付けてもらいなよ」
「…いや……」
「ほらママも、もっとお姉ちゃんの隣に来て」



