甘い体温②・後編・


それから間もなくして、ニコニコしながら戻って来た優を見ると、何故か後ろに母も一緒に引きつれていた。



「じゃーん、ママも連れてきちゃった」


「……うん…」



そう言われ、何となくソファーの隅っこに移動した私。


目が合わせられなくて、気まずさを隠す様にさりげなくテレビの方へと視線をやれば、突然優が私の目の前に「はい」と手を差しだしてきた。



「お姉ちゃんこれ、バンドエード」


「ああ、うん、ありがとう」



見事に可愛らしく描かれたキャラクターを見て、一瞬苦笑いを浮かべた私。


ちょうどその瞬間ソファーに母が座る気配を感じ、ドキンと一気に緊張が駆け巡った。



「これね、ママにつけてもらった方がいいよ」


「えっ」


「ママねぇ、バンドエイド張るのすごーく上手いんだよ」



ニッコリ満面の笑顔を向けられて、思わず言葉を詰まらせる。



「ね、ママに付けてもらいなよ」


「…いや……」


「ほらママも、もっとお姉ちゃんの隣に来て」