甘い体温②・後編・


「ちょ……、苦しいよ」


「なんかいい匂いがする」



私の言葉を遮るようにして、陽生がクスリと笑う。


私の肩に顔を埋めたまま笑うから、吐息がかかり、何だかくすぐったくて肩がブルッと震えてしまう。



「今日は早いんだな」


「……うん。たまには、ね。今日から出勤でしょ?だから、陽生に温かいご飯ぐらい食べてもらおうかと思って」


「へ~」


「陽生が少しでも元気になってくれるなら、私だってこれぐらい頑張るし」


「………」



そう言うとなぜか陽生は無言になり、突然ピタリと動かなくなってしまった。



……あれ?


私なんか変なこと……言った?


思わず心配になり、顔を後ろに向けようとすると


「はぁ~~」と深いため息が聞こえ、陽生の少し戸惑ったような言葉が飛んできた。