陽生の腕がぎゅうぎゅうと私の体を包み込む。
とても温かい陽生の抱擁によりいっそう弱まっていく私の涙腺。
相変わらず優しさいっぱいの言葉に胸の奥がキュンと締め付けられて、たまらず目の前の胸にしがみ付きそうになってしまったけれど…
……でも、違う。
そうじゃないの。
私が望んでることはこういうことじゃないの。
私が求めてるのはこんな一方的な温もりじゃない。
「わ、たし……」
私は思わず顔を上げ、陽生の顔に右手を伸ばした。
間接照明の柔らかな光の中、戸惑いと優しさが混じった瞳に見つめられて、再び陽生への強い気持ちがこみ上げてくる。
ああ、今なら……分かる。
私はきっと、こうするために陽生と出会ったんだ。
きっとこの人を守るために私は今こうしてここにいるんだと。



