甘い体温②・後編・


「よし、もういいよ」



それから数分後、一通り掃除を終えた私はリビングで待つ優に声をかけた。



「バンドエードってある?」


「バンドエード?」



優がソファーに座りながらキョトンと見る。



「ちょっと、指切っちゃって……」


「えっ、大丈夫?」


「うん。ちょっとだけね」



私としたことが、あの後ご丁寧に指まで切ってしまった。


とほほ……


本当についてない。



「わかった、いいよ。僕のアンパンのやつがあるから持ってきてあげるね」



えっ、アンパンマン?


一瞬ギョッとしたけれど、駆けだした優があまりにも嬉しそうだったから、思わず声をかけるタイミングを失ってしまった。




まぁ……いっか。