甘い体温②・後編・


私は慌てて涙を拭った。


少し落ち着かなきゃ。


そう思うのに、やっぱり陽生の寝顔を見ると色んな思いが溢れてくる。終いには陽生と出会った頃の記憶まで甦ってきて………余計ひどくなってくるばかり。




「………果歩?」



たまらず、ベッドから抜けだそうとした瞬間、陽生の声に動きを止められる。


そのまま右手を掴まれた私は思わず下を向いて、陽生に見られないように顏を逸らす。



「……どう、した?泣いてるのか?」



……だけどそんな私の異変にすぐに陽生は気がつき、ハッとしたように上半身起こした。



「違う」と言いたかったのに、涙を堪えるのに精一杯。

それでも首を振って「ごめん、トイレ…」と言って逃げようとすると、後ろから強い力でグイっと勢いよく引き寄せられた。