私は慌てて涙を拭った。
少し落ち着かなきゃ。
そう思うのに、やっぱり陽生の寝顔を見ると色んな思いが溢れてくる。終いには陽生と出会った頃の記憶まで甦ってきて………余計ひどくなってくるばかり。
「………果歩?」
たまらず、ベッドから抜けだそうとした瞬間、陽生の声に動きを止められる。
そのまま右手を掴まれた私は思わず下を向いて、陽生に見られないように顏を逸らす。
「……どう、した?泣いてるのか?」
……だけどそんな私の異変にすぐに陽生は気がつき、ハッとしたように上半身起こした。
「違う」と言いたかったのに、涙を堪えるのに精一杯。
それでも首を振って「ごめん、トイレ…」と言って逃げようとすると、後ろから強い力でグイっと勢いよく引き寄せられた。



