「心配したぞ」
「うん。ごめんね。……けど、元気だった?」
俺が発してすぐニコリと笑って首を傾けた果歩。
少し潤んだ瞳で見つめられた俺は思わず歓喜あまって果歩の肩にもたれるようにうな垂れた。
「いや、死ぬかと思った。この2週間で一生分の気力を使い果たした気分だよ」
「あはは。一生分って……」
「笑い事じゃねーよ。こんな不安……、食事も、何一つ手につかなかったのは生まれて初めてだよ」
「本当だ。ヒゲがつんつんしてる。陽生のこんなルーズな姿を見るのは初めてかも!なんか新鮮」
人の気も知らないで…
無邪気に笑い、ヒゲを触ろうとしてくる果歩に思わず苦笑いがもれる。
「陽生でもちゃんとヒゲが伸びるんだね」
「当たり前だろ…」
「あはは」
だけどやっぱりほっとしてしまうのは、こうしてまた果歩としっかり言葉を交わせられる嬉しさのが強いから。
果歩の柔らかい体温をこうしてちゃんと確かめることができるからだ。



