甘い体温②・後編・


「このまま、本当に目を覚まさなかったらどうしよ……」


「止めてくれ!」



それでも俺は静香の言葉を強く遮っていた。


そんなことさせてたまるかよ!


それだけは許さない!


果歩にかぎってそれだけはない。


例え俺の命と引き換えにしても。


それだけはないと信じてる。



「果歩は俺達を置いて絶対どこにも行かねぇよ。もっと信じろよ。お前がそんな気弱になってどうするんだよ」



泣きじゃくる静香の頭をぐしゃぐしゃと乱暴に撫でる。



「果歩は……ただ、少し疲れて眠ってるだけだ。検査の結果だって他はどこも異常はなかったんだ。眠るだけ眠ったらまた絶対目を覚ますから」



そう言うとハッとしたように顔を上げた静香が、気を取り直すように涙を拭き俺を見た。



「そ、うよね。そうよ。あんたの言う通りだわ。果歩ちゃんはただ疲れて眠ってるだけ。私ったらなんて縁起でもないこと……」