話しかけても伝わらない。
こんなに側にいるのに、抱きしめることすらできない苦痛。
まさかこんなことになるなんて……。
まるで死んだように眠る果歩を見つめる俺の横で、静香がもう何度目かになる涙をポロポロと流し、俺の服の袖をぎゅっと握る。
「な、んで、果歩ちゃん起きないの?
もう1週間よ?何で眠ったままのよぉ…」
思わず言葉に詰まる。
それが分かったら俺だってこんな思いはしない。
俺だってすでに焦りがピークを達し、眠れない夜が続いていた。
「あんた医者でしょ?今すぐなんとかしなさいよぉぉ」
わんわん泣く静香にかける言葉が見つからない。
それができたらどんなにいいか…
医者なんて表向きは格好良く聞こえても、所詮本当に残酷な運命の前ではどうすることも出来やしない。
どんなに手を尽くしたって、助けられなかった命は今まで幾度となく嫌というほど目の当たりにしてきたわけで…



