あの後、果歩は秀の病院へと運ばれた。


俺がそうしてくれと頼んだからだ。


こいつの病院なら設備も対応も十分にしっかりしてる。


それに何より秀の腕のよさなら俺が申し分ないぐらい分かっていたからだ。



「精神的にも身体的にもお前がちゃんと負担かけないようにしてやらないと」


「ああ……」



果歩の寝顔を見つめながら、俺は弱々しい声を落とす。


うっすらクマのかかった目元、見るからにやせ細った顎のラインを見つめて俺はひどい後悔に襲われる。



もっと慎重に動くべきだった。


こうなる前に。


自分の不甲斐なさにただただ情けなくて、俺は果歩の手をとりぎゅっと握り締めた。



「……まぁ、お前の立場も分からないこともないが…」



本当、すまない。


だけどそれから4日、1週間経っても果歩の意識は戻ることはなく、俺は日に日に嫌な焦りを覚えていた。