(ーside陽生ー)



「絶対安静だ」


それが果歩へ言い渡された医者からの宣告だった。


幸い、処置が早かったためかお腹の子は大事に至らなくてすんだ。


多少出血はしていたけれど、お腹の子の命はなんとかギリギリのところで食い止められたようだった。



「お前がついていながら何やってんだ!」



だけど容赦なく浴びせられた親友の厳しい言葉。


俺は目の前で苛立ちをぶつけてくる秀に思わずくぐもった表情を見せた。



「……すまない。助かったよ」


「あと少し処置が遅かったら最悪なことになってたんだぞ。今が1番大事な時期だってことぐらいお前もよく分かってるだろう!」


「ああ……」



全部俺のせいだ…


隣でホッと肩の力を落とす静香の視線を感じながら、俺はうな垂れるように瞳を伏せる。