―――…
う……ん
何だか体が異様に重い。
それにお腹がとても温かい感覚がする。
なぜだかとっても不思議な気分だった。
気持ちは驚くほどふんわりとしてすごく心地いいのに、意識が奥の方へと吸い寄せられていく。
「あの人が許せない!果歩ちゃんとお腹の子にこのまま何かあったら例え親子でも私はあの人を八つ裂きにしてやるから!!」
「静香……」
静香さんの声が聞こえる。
そして陽生の声も…
だけど二人はとても悲しそうで、静香さんの泣き声がどんどん遠くの方へと小さくなっていくのが分かる。
ああ、眠い。
それにしても眠いなぁ。
体がゆらゆらと深い所に落ちていく感じ。
何だかとても疲れたの。
ひどい衰弱感。
このまま少しだけ眠らせてほしい。
指先一つ動かすのも億劫なんだ。
ごめんね、陽生。
もう少し。
もう少しだけこのまま私を眠らせて…
そう思いながら再び私の意識は深い所へ落ちていった。