「今まで悪かったな」
え?
そんな声が響き、部屋を出て行こうとするお父さんの足もピタッと止まる。
「あんたの思い通りに生きれなくて、あんたの期待通りになれなくて悪かったよ。
今まで俺はわざとあんたから避けるように生きてたから……
でも、別に俺はあんたが本気で憎かったわけじゃない。
本気で軽蔑してたわけじゃないんだ」
落ち着きをはなった陽生の言葉。
お父さんはそんな陽生の声に動きを止めたまま振り返りもせず、なぜか時が止まってしまったかのように微動だに動くことをしなかった。
「俺は何だかんだ言ってあんたを尊敬してた。それなりに理解してるつもりだった。
そしていつかはちゃんと分かり合える日がくる。あんたと正面きって話し合える日がくるんじゃないかって本気で信じて疑わなかったよ」



