人をこんなに許せないって思ったのは久しぶりだ。
誰かに対してこんなに怒りに震えたのも、ひょっとしたらこの人が初めてかもってぐらい、完全に理性がぶっ飛んでいく。
「な、にが期待外れよっ、それはこっちのセリフよ!バカにするのもいい加減にしなさいよ!」
もう陽生のお父さんだとか、椎名グループの社長だとかそんなのは頭から綺麗さっぱり吹き飛んでいた。
だってそれがなんだっていうの!?
そんなの関係ない!
ただ、この人が許せない!
そしてどうしようもなく悔しい!
悔しくてたまらない!
そんな思いでまた一歩詰め寄り、お父さんに鋭い視線を向けた私は
「さっきから聞いてればバカにした発言ばかり、あなたはいったい何様よ!社長がそんなに偉いわけ!?親だからってやっていいことと悪いことの区別もできないの!?
人の純粋な気持ちをなんだと思ってるのよ!!」
いっそこのままビンタでも交わしてやりたい!
そんな衝動をかろうじて押さえながら、私は拳を強く握りしめる。



