ぎゅっと、私の腕を掴む陽生の力が強くなっていく。
そして私も驚きを通り越し、今まで味わったことのない強い動悸が押し寄せてくる。
―――騙された。
その事実にショックを隠しきれない。
まるで崖から真っ逆さまに落とされた気分だった。
悲しくて、瞳の奥が悔しいほど熱くなっていったいくのに気付き、頭にカッと血が上っていく。
「――ふっ、だから何だ?例えそうだったとしてももう終わったことじゃないか。
しかも結果的には丸く収まったんだ。別れずにすんだんだからよかったじゃないか」
「――っ――」
その言葉を聞いた直後、険しい思いでお父さんの方へと顔を向けた。
お父さんの悪びれない淡々とした態度。何も変わらない冷血な口ぶりに、悲しみ以外のものがふつふつと膨れ上がっていった私は…
「本当君にはガッカリしたよ。ずいぶん情の深いお嬢さんでこちらとしてもいい結果を期待していたが……実に残念だ。やはり私の大きな見込み違いだったようだ」
プチン……
次の瞬間、何かが切れる音がした。



