「――それに、私聞いちゃったのよねぇ。ほんの数日前、大学病院に行って院長の白鳥先生に会った時、『静香さんのお父様はいつも健康で素晴らしいですね』って、
『あんなにお忙しいのにこの年まで一度も大きな病気もなく、海外を飛び回われるなんて羨ましいかぎりですよ』って」
静香さんが呆れたように言って、陽生から私に視線を移す。
そして陽生もそんな静香さんに頷くようにして、もう一度あたしの方へと顔を向き直り、言葉をくれる。
「だから尚更ピンときたんだよ。ああ、これは普通じゃないなって、絶対何か裏があるんじゃないかって」
あ……
「……だ、から、村井さんにお父さんのこと調べてもらった、の?」
交互に話す2を見つめながら私は、戸惑いの表情を隠せなかった。
だって、手元にある真新しい用紙。それが全てを明らかにしているのは確かだったから。



