甘い体温②・後編・


でも……


「おかしいと思ったんだよな。果歩から親父の病気のことを聞かされた時、妙に納得がいかなかった。何かが変だって」


「えっ…」


「やけに静かすぎる。周りが異様に冷静すぎるんだって、……なぁ、静香?」


「ええ、本当よ。普段ほんの少し血圧が高くなったってだけで、ご丁寧にわざわざ連絡をくれる主治医が今回に限って何も言わない。
むしろおかしいぐらいに冷静なんだもの。

かりに口止めされていたとしても、さすがにちょっとねぇ……」



ふっ…と吐き出された言葉にあたしは思わずハッとして視線を後ろに向けた。

だってそこには





「えっ、静香、さん!?」



少し呆れたように腕組をした静香さんが右斜め後ろの茶色いもう一つのドアの壁にいつの間にか寄りかかってこっちを見ていた。


い、いつの間に来たんだろう?


ビックリする私を余所に静香さんはそんな私を気にすることなく、カツカツとこっちの方へと歩み寄ってくる。