「果歩もういいから、少し落ち着け」
「でもっ……」
「いいから!」
グイっと陽生の方に向かされた私は勢い余って、眉間に皺を寄せた。
少し重ぐるしい視線。強い眼差しを向けられた私は、そんな陽生にも苛立ちが募るばかり。
「な、によ、陽生だって本当にこのままでいいの!?違うでしょ!?だってお父さんはもうすぐ――」
「親父は死なない。だから少し落ち着けよ」
「……えっ」
「……もう、焦ることなんてない。お前が聞いた話しは全部……、そう、全部でたらめなんだから」
ドクン…と、心臓が妙な音を立てた。
真っ直ぐで真剣な言葉を向けられた私は、思わずえっと瞳を大きくする。
……でた、らめ?



