「陽生を、捨てるの?」 ――ぎゅっと拳をつくる。 気づいたら、私は目の前の背中に向かってそう叫んでいた。 一瞬にして過去の記憶が甦り、瞳の奥に鮮明に広がっていく。 やっと分かった。 この痛み、この感じ。 あの時に似てるんだ。 14才の冬。 母親に捨てられたあの時の状況によく似てる。 私は要らない。 もう必要ない。 なんの価値もないんだって思い知らされた、あの時のなリアルな自分―― そうだ。 だからさっきからこんな違和感。 胸の奥が掻きむしられたみたいにズキズキと、痛むんだ。