「ま、待ってっ!」
違う。
こんなの違う!
だって
こんなの……
何も答えず、扉を開けようとするお父さんの後ろ姿。
そして素っ気ない背中……
扉が開いた瞬間、向こう側の光に照らされた私はまるでフラッシュバックするみたいに目の前が真っ白になった。
「―――」
ドキン――
ああ。
思い出した。
この感じ……
この感覚……
それはまるで記憶の波が押し寄せてくるようなるような、そんな感覚……
―――バタンッ。
『元気でね、果歩』
『これであなたの自由に生きなさい』
突然吐き捨てられた冷たいセリフ。
そして、目の前で閉ざされた薄汚れた重い扉。
ああ、これは
あの時の
わた、し?



