甘い体温②・後編・


「悪いが用件が済んだのなら出てってくれ。これからまた仕事に戻らなきゃいかん。お前達に構ってるほど暇じゃないからな」



そんな……っ!


立ち上がり、無表情で私達を横切ろうとしたお父さんにやっぱり胸を痛めた私。


この感じ……


ズキズキと痛む中、今までずっと無言だった陽生がポツリと言った。



「……ああ、分かった。あんたの気持ちはよく分かったよ。そうしてくれるとこっちとしても助かるよ。これでやっと肩の荷が下りる。俺の方こそ清々するよ」



え?


嘘!


ちょっと陽生!?



「俺には父親なんかいない。昔からそうだった。むしろ今更父親ぶられても迷惑しかないからな」



嘘……


絶対嘘だ。


そんなこと思ってないくせに!


さっきとは違い冷静な陽生の声。


でも、それはなんだかいたたまれなくて。


体をぎゅっと引き寄せられた私は、ハッとしたように顔を上げる。