「本当、お前には失望したよ。まさかこんな仕打ちをさせられるとは」
「―――」
「昔からそうだった。お前は私の言うことなど一切聞かん。ひたすら私に歯向かい、椎名から離れようとする。おまけにあんな所で医者なんぞやりおって」
ゴホン…
咳払いをして、冷めた言葉を放つ。
もはや呆れてものも言えないって感じだろうか?
視線を向けないまま言葉を向ける姿は、やっぱり冷やかで、優しさのかけらも感じられない。
「まったく、期待外れもいいとこだ。今まで育ててもらった恩も忘れやがって、こんなことならもっと早くお前を追い出しておけばよかった。初めからしっかりと見切りをつけておくべきだった」
なっ…
ひどっ。
何もそこまで…
「もうお前の好きなように生きなさい。そこのお嬢さんと仲良く結婚ごっこでも何でもすればいい。今日限りお前とは赤の他人だ。今後一切私の前に姿を現わさないでくれ」
椅子ごと背を向けるお父さん。
もう話すのも億劫だと言うように口を閉ざし、窓の外へと視線を向け、そして携帯を取り出した瞬間――
ズキン……
あれ?まただ。
胸の奥に鈍い、痛み。
何だろう…
この感じ。
この気持ち。
まるでハンマーで頭を横から殴られたみたいに、耳の奥がキーンとする。



