思わず唾を飲み込むと
「分かった。もういい」
数秒後、突然立ち上がったお父さん。
眉間に皺を深く寄せ、まるで何かを決意したように私達を睨む。
「もう好きにしろ。勝手に結婚でも何でもすればいい。私はもううんざりだ。お前の望み通り椎名からお前の戸籍を抜いてやるから、今すぐここから出ていけばいい」
―――え?
「――ただし、もう2度と私の前に姿を現すな。この家にも今後一切近づくことは許さん。それでもいいんなら好きなようにしろ!」
ガシャン…
再びドカッと椅子に座ったお父さん。
その瞬間机の上の書類が無造作に落ち、部屋中にサーと寒気がするほどの静けさが流れ込んだ。
あ……
それを見た私はなんだかいいようのない苦しさに襲われる。
だって、それはついさっき、電話で契約を破棄した時のようなあの冷めた感じによく似てる。
まるで、感情が…ない。
全ての興味を失ったように、お父さんは私達から視線を逸らし、そして息を吐いた。



