甘い体温②・後編・


「まじかよ…」



そんな光景を目の当たりにしながら茫然と立ち尽くす俺。


ドクドクと尋常じゃないほど一気に頭に血が上っていく。




「…やってくれんじゃねーか……」



手が怒りで小刻みに震えるのが分かる。


つい最近2、3日前に取られただろう写真を見つめながら、俺はそれを力の限りグシャッと握り潰す。



「盗撮とはいい趣味してんじゃねーか」



鋭く親父を睨みつけた。


俺としたことが、この1年まんまとやられてたってわけか…



「盗撮?人聞きがわるいことを言うんじゃないか。親が自分の息子を心配して何が悪い。ほんのちょっと様子を見ていただけだろう?」


「ふざけんなっ!これのどこがちょっとなんだよ!こう言うのを世間では悪質な監視っつーんだよ!」



まさかここまでとは……


自分の親ながら目を覆いたくなるようなこの光景。


もはや怒りを通り越して落胆の感情しか出てこなかった。