何だかこっちまで顔が緩んじゃいそうになっちゃいそうだったけれど、陽生の次の言葉でそれはハッと阻止をされる。
「……親父、いるよな?」
「ええ、2階の奥の書斎に」
そんな会話に体を強張らせる私。
若干眉を下げた仁さんを見つめながら、なぜか胸がキリキリと痛むのが分かった。
「坊ちゃん。どんな結果になろうと私はあなたの味方ですから」
「ああ、ありがとう」
「それからこれ、以前頼まれてた書類です」
「―――」
茶色い封筒を受け取り、中身を見た瞬間すぐに眉を寄せた陽生……
「ふっ、やっぱりな」
そう言って意味深に吐きだし、なぜか私の手を引いて歩き出した。
「陽っ……」
「やってくれるじゃん」
「えっ……」
「あのくそ親父、もう観念ならねぇ……」
長い階段を上り、さらに奥へと進む。そしてそのまま勢いよく書斎の扉を開けた陽生がとても低い声で私に言った。



