そしていつになく気迫を含んだオーラにゴクリと唾を飲む。
やばい、緊張してきた……
状況がつかめた途端、言いようのない不安が込み上げてくる。
だってあのお父さん。
あの時、あの刺すような冷たい視線を思い出すと、体の芯から体温を奪われる気がして……ビクッと全身が震えてくる。
「―っ――」
「大丈夫だ。果歩は何も心配しなくていい」
「でも……」
「以前親父に何言われたかは知らないけど、もう親父には何も言わせない。好き勝手なことはさせないから」
ぎゅっと右手に温かな感触。
上から覆うように手を握られて、ドキリと鼓動が疼く。
車はいつの間にか止められていて、びっくりするぐらい大きな建物がドーンと目の前にそびえ立っていた。



