甘い体温②・後編・


そしていつになく気迫を含んだオーラにゴクリと唾を飲む。



やばい、緊張してきた……


状況がつかめた途端、言いようのない不安が込み上げてくる。


だってあのお父さん。


あの時、あの刺すような冷たい視線を思い出すと、体の芯から体温を奪われる気がして……ビクッと全身が震えてくる。



「―っ――」


「大丈夫だ。果歩は何も心配しなくていい」


「でも……」


「以前親父に何言われたかは知らないけど、もう親父には何も言わせない。好き勝手なことはさせないから」



ぎゅっと右手に温かな感触。


上から覆うように手を握られて、ドキリと鼓動が疼く。


車はいつの間にか止められていて、びっくりするぐらい大きな建物がドーンと目の前にそびえ立っていた。