だけど、そんな私を見てすぐに優しく頭を撫でてくれた陽生が穏やかに言った。
「……でも、全部俺のことを思ってのことなんだろ?」
「え?」
「俺のことを守ろうとしてくれた……違う?」
少しだけ体を離されて、私の唇にそっと指が添えられる。
「果歩の気持ちはちゃんと伝わってるから、もう自分を責めなくていい」
「でも……」
「つーか、お前も辛かっただろ?」
「えっ?」
「親父のホテルであいつに……、あの男に何もされなかったか?」
「あ……」
「嫌な思いさせて悪かった。本当にごめん。怖かっただろう」
まるで何もかもを分かったような眼差しだった。
それは全部。何もかもを納得してるような私を理解してくれてる言葉――
「マジで何もされてないよな?」
「っ、ん……」
とても真剣な瞳に頷いた私。
だけどどこかやるせない表情を見せられた私は、やっぱり歓喜余り、じわりと涙をこぼしてしまった。



