今、なんて言った?
目を見開き、思わず振り返った瞬間、親父の意味深な表情が目に飛び込んでくる。
「果歩」と出た単語に思わずビクッと反応してしまった。
「同棲か……、やけに可愛がってるみたいだけどまさか、本気じゃないだろうな?」
一瞬親父がうっすらと笑ったような気がして、俺はさらに目を見開く。
「……は?」
俺はそんなこと一言も…
言った覚えのない事実に不安と焦りを感じていく。その場に立ちつくしていると、何故かフッと笑った親父が突然引出しからあるものを取りだした。
「しかも相手はまだ19の未成年じゃないか。あんまり関心したこととは言えないんじゃないのか?」
「……」
全て見透かしたようなその言葉。
不敵に笑い、ゆっくり歩みよってきた親父が中央のローテーブルにそれを一気にばら撒いた。



