―――…




その日。マンションに帰った私達はまるで今までのわだかまりが嘘のようにきつく抱き締め合って眠りについた。


ベッドになだれ込んだのは深夜2時を回っていて。

お互い着替えをするのも忘れ。

帰ってきた格好のまま、泣きつかれた子供のように深い深い眠りに落ちていった。



そして次の日。


ふんわりとした感覚の中、ゆっくり目を覚ました私は、頬に温かい感触を感じてハッと顔を上げる。



「あっ、おは、よ……」


「おはよう」



初っぱなから妙に照れた。


だって、目の前の陽生があまりに甘く、まるでとろけそうな表情で見つめているんだもん。



「ぐっすり寝れた?」


「……うん。陽生、は?」


「ああ、とても」



陽生が満足そうに笑い、私の額にキスを落とす。