顔を上げ、少し目を見開いた陽生に精一杯のキスをした。
強く、そして熱く…
何度も角度を変えて。ニコリ、満足したように顔を離せば、甘くとろけそうな表情をした陽生がとても優しい瞳で笑ってくれた。
「ふっ。不意打ちかよ……」
そう言って、私の額に最高のキスを一つ…
「つーか、肝心な言葉持っていくなよ。てか逆プロポーズとかありえねぇ…。
せっかく最後は俺が格好良く決めようと思ったのに、これじゃ台無しだろ?」
ピンとおでこを弾かれる。
少し照れくさそうな素振りで見つめてきた陽生だったけれど、でもすぐに目を細め、まんざらでもなさそうに言った。
「本当、お前には参るよ」
そして最高の笑みを向けて、ぎゅっと抱きしめてくれる。
大好きな陽生の香り。
安心する力強い鼓動。
いつも以上に温かいぬくもりに包まれた私は
「果歩、結婚するぞ」
ヒョイっと横抱きにされて、深い深いキスをされた。