「俺がどれだけショックだったか分かるか？」
「う……」
てか、私もショック……
さっきのあの絶望感を思うと、とてもじゃないけど平然な顔していられない。
「どうだ、少しは自分の気持ちに正直になれたか？」
「―っ――！？」
「まーったく、本当果歩ちゃんは世話が焼ける。だいたいさ、俺が今の状態のお前をあっさり手放すようなそんな薄情な男に見えるのかよ？」
「………」
「見損なうなよ。俺はお前が思ってるよりそんな聞きわけのいい男じゃないし、冷めた人間なんかでもねーんだよ」
ぎゅっと鼻をつままれて、私は完全に蛇に睨まれたカエル状態。
どうしよう…
私……
「もう、降参して素直になれよ」
そんな言葉を聞かされたら、もう……何も言葉なんか出てこない。
